坪月商87万円を売る超繁盛ベーカリーが「食事パン」を売らない理由とは
パンの深刻な廃棄ロスは、2店舗態勢で解決
神戸市の中心地からやや外れた官公庁が集まるエリアに位置することから、コロナ禍中はリモートワークする公務員が多くなり、大打撃を受けた同店。それまで1日に製造するパン2000個を売り切っていたが、客足が鈍くなり廃棄ロスが出るようになったという。そこで西脇氏は繁華街の駅近に、2021年1月、わずか3坪(売場面積は1坪)の2号店「ピッコロホマレッタ」を出店する攻めの姿勢に出た。
「廃棄ロスが出るということは、製造能力があるのに販売能力がないということ。そこで中心地に姉妹店を出し、販売拠点を増やしました」(西脇氏)。
本店で製造する100品2000個のパンから、2号店は食パンと冷蔵系サンドを除く、惣菜パン、菓子パン約30品を陳列。1日700個を、パンの売れ行きを見ながら3〜4回に分けて運搬することで売り切っている。
現在、月商は本店の「パネホマレッタ」が980万円、2号店「ピッコロホマレッタ」が450万円前後。集客数は2店舗を併せてもコロナ禍前の本店のピーク時より若干上回る程度だというが、廃棄ロスが激減し、売上も好調だという。強烈な個性を放つ商品や売り方に加え、柔軟な思考によるビジネス戦略が、コロナ禍でも強い店を作っている。