2022年後半戦のスイーツトレンドを予測! キーワードは「定番回帰」
ローソンも「定番回帰」で
カスタードにこだわった新商品を展開
コンビニ大手のローソン(東京都)では2021年より、①専門店監修商品(生クリーム専門店「Milk」、「パティスリー サダハル・アオキ パリ」、アップルパイ専門店「RINGO」など)、②冷凍スイーツ(アップルパイ、カッサータなど)、③定番回帰、の3つをキーワードに、商品開発を進めてきた。
このうち③の定番回帰をテーマに開発されたのが、21年9月に発売された「生ガトーショコラ」。カフェやレストランでおなじみのガトーショコラを、ワンハンドで食べられるコンビニならではのスイーツに仕立てた商品で、発売から約5ヵ月でシリーズ累計1700万個以上(21年2月末時点)を販売している。
またローソンではこの春より、「カスタード」にこだわった商品の展開をスタート。第1弾として、カスタードを使用したメニューの中でも人気の高いシュークリームとプリンに着目し、「生カスタードシュークリーム」と「埋もれるショートケーキプリン」(現在は販売終了)の2品が発売された。
「生カスタードシュークリーム」は、昨今のトレンドである卵感やバニラの香りをしっかりと感じられるカスタードクリームを特徴とする商品だ。こだわりのカスタードクリームの味を活かすため、シュー生地はあえて薄めに仕立てている。同商品は半年で販売数1000万個を目標に掲げており、発売20日間で600万個を突破するなど出だしは好調だ。なおカスタードにこだわったスイーツは、今後も新商品の発売が予定されているという。
「定番回帰」が求められる背景とは
また昨今、専門店が増え、お取り寄せでも人気を博しているカヌレも、古典的なフランス菓子の1つ。日本ではチョコレートやフルーツなどでデコレーションされたものも多く、SNS映えするのも人気の理由となっている。さらにニューオープンのパティスリーでも、前衛的な菓子に力を入れるよりも、フランスの古典菓子や、ショートケーキのような日本ならではの洋菓子を売りにする店が多い印象だ。
こうした定番菓子が増えてきた背景としては、ストライクゾーンが広いためターゲットを幅広く設定でき、またシンプルなスイーツが多いゆえアレンジがしやすいという売り手側の理由がある。それに加えて、コロナ禍で先行きの見えない不安やストレスの多い生活の中で、スイーツには安心感や既知のおいしさを求める傾向があるという消費者側の事情もある。売り手側と買い手側、双方のニーズがマッチした「定番回帰」のスイーツは、今後もさまざまな展開を見せそうだ。