小売10社を取材!原価高騰、競争激化を勝ち抜く、コロナ後の総菜売場の作り方、徹底解説!
PCを効果的に活用し生産性を高める
このような課題を解決すべく、有力各社はすでに総菜部門の改革へ動き出している。近年深刻化している人手不足への1つの有効策が、プロセスセンター(PC)の整備による効率的な製造体制の構築だ。店内加工は出来立ての総菜を訴求するうえで重要だが、すべての作業を店内でやるには人時がかかりすぎる。PCは店内の人手不足を補えるほか、工場で一括製造するため生産性向上にも寄与する。徹底したオペレーションの標準化・効率化に強みを持つベルク(埼玉県/原島一誠社長)は、商品の特性に応じて子会社が運営するPCと店内製造、ベンダーへの外注を使い分け、効率的な売場運営に取り組んでいる。
ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)は多様化する消費者のニーズに対応するため、PCを積極的に活用している。たとえば近畿圏では、トレーが9つに分かれている「御膳弁当」は、以前は店内ですべてのおかずを詰めていたが、現在はPCで6マスを埋め、残る3マスは店内で調理した揚げ物や焼き物などを入れるという手順に変更し、作業の効率化と出来立て感の両立を図っている。
また、商品を絞り込むことで1品当たりの生産効率を高めているのがバロー(岐阜県/田代正美社長)だ。同社の総菜売場を運営するバローグループの中部フーズ(岐阜県/纐纈(こうけつ)直孝社長)はコロナ禍を機に「強い商品づくり」に注力し、各カテゴリーの品揃えを絞り込む戦略を採る。お客の支持が高い商品だけを単品量販で売り込むことによって、多くの種類を製造する手間が減り、核となる「強い商品」に製造を集約することで生産効率を高めている。
コロナ後の総菜 の新着記事
-
2022/05/31
東京のローカルスーパー、文化堂で「1980円のタルト」など高単価品がヒットしている事情 -
2022/05/31
アフターコロナ総菜戦略のポイントは「値ごろ感の破壊」値入は率でなく額で管理すべき理由とは -
2022/05/30
外食需要取り込みと生産性向上進める、平和堂の総菜戦略を徹底解説! -
2022/05/30
某大手コンビニをベンチマークに、激安総菜を自社工場で製造するゲンキーの凄さとは -
2022/05/27
ベルクの総菜戦略を徹底解説!コロナ禍でも「バラ販売」を継続する理由とは -
2022/05/27
無印良品が直営で総菜売場を立ち上げた、周到な戦略と課題とは
この特集の一覧はこちら [12記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-21速報!バロー関東1号店「横浜下永谷店」 オープン日の模様を徹底レポート
- 2025-11-21ベルクのディスカウントフォーマット「クルベ」、開店から2年超で見えた変化と進化
- 2025-11-26気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
- 2025-11-19上期絶好調のバローHD 関東進出直前、小池社長が明かした「攻め手」
- 2025-11-25オープンから2年超のクルベ その至近で競合するヤオコー、2店舗の関係から見えてきたこと
- 2025-11-21楽天撤退、ライフ参入 センター型ネットスーパー激動期へ
- 2025-11-17利益面に明暗……ライフ、U.S.M.H、アークスの中間決算を解説
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
- 2025-11-22圧倒的集客力で激戦地を制圧!? 茨城タイヨーの「ビッグハウス」を大解剖!
- 2025-11-11意外にも”共存共栄”? 関西随一の激戦区・西宮の2エリアを徹底視察!





前の記事