チリワイン市場、日常のちょっとした贅沢が味わえるプレミアムワインの需要が高まる
チリワインの平均単価が上昇、中高価格帯が好調
チリワインといえば500円前後の低価格帯が主力となるが、21年は平均単価が大きく上昇している。チリワインのスティルフルボトルの平均単価は、19年が568円だったのに対し、20年は570円、21年は576円にまで上昇。コロナ禍の家飲み需要が増加したことで、日常のちょっとした贅沢が味わえるプレミアムワインのニーズが高まっていることが予想される。
1000~1499円カテゴリーにおいて高いシェアを誇るのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。高品質な味わいは世界中でもトップレベルの評価を獲得しており、日本でもトライアル率、リピート率ともに高くなっている。22年は「盗み飲みされるほど美味しいプレミアムワイン」というキャッチコピーでブランドの価値を訴求する。また、「ディアブロ」を楽しむ「ディアブロ・クラブ」の開設や、SNSを活用した「悪魔捕獲大作戦」などのプロモーションの実施で、さらにファンを広げていく。
一方、ボリュームのある低価格帯のチリワインでは、「フロンテラ」ブランドが支持されている。リーズナブルな価格でありながら、単一品種でつくられており、品種による味わいが楽しめるのが魅力だ。昨年秋に日本オリジナルデザインにリニューアルし、店頭での視認性をさらに高めた。スタンダードに加え、厳選されたブドウと収穫方法にこだわった、上質な味わいのプレミアムシリーズも展開している。
「フロンテラ」は、グラミー賞オフィシャルワインパートナーに選定されたことを受け、23年グラミー賞授賞式のチケットが当たるキャンペーンなどを実施する。
コロナ感染が終息し、外食機会が増えても家飲みのよさを実感した人は継続することが予想されるため、店頭ではチリワインの魅力を訴求し、輸入スティルワイン全体の活性化を図っていきたいところだ。