セブン-イレブンが22年、「デパ地下」を意識した商品を販売する理由とは?

コンビニエンスストア(CVS)首位のセブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)はこれまで、時代のニーズに対応することで成長を続けてきた。しかし、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下でCVSに逆風が吹き、既存店売上高が伸び悩んでいる。そんななか同社は抜本的な商品政策(MD)改革に乗り出している。その具体的な施策を同社の2021年度商品政策説明会の内容からまとめた。
既存店売上高の前年割れ続く
セブン-イレブンの既存店売上高が振るわない。2021年度上期(3~8月)の伸長率は対前年度同期比で101.5%と、コロナ感染拡大で売上が落ち込んだ前年度上期(同97.0%)と比べて微増にとどまった。下期に入ってからは9月が99.8%、10月が99.0%、11月が98.9%と前年割れが続いている。かつて既存店売上高を複数年にわたって連続で伸ばし続けていたセブン-イレブンが、近年では例にみないほど苦戦しているのだ。
背景にあるのが、コロナ感染拡大の影響によるCVSを取り巻く環境の変化だ。外出自粛生活やリモートワークの普及によって、近年CVS各社が出店を強化してきた都市部やオフィス街立地の店舗の売上が大きく減少した。そして、コロナ禍での人々の行動変化は、リモートワークを筆頭にある程度定着するとみられている。
こうしたなかセブン-イレブンはすでに改革に動きだしている。

同社執行役員商品本部長の青山誠一氏は「品揃えに対して『コンビニとはこういうものだ』と前例にとらわれ過ぎていたことが大きな反省にある。新しい日常・価値観のなかで需要が見込めるようであれば、これまでコンビニでは見られなかった品揃えや取り組みでも積極的に挑戦していきたい」と、抜本的な改革を厭わず進めていく方針を示している。
デパ地下を意識した小容量総菜を拡充
では、セブン-イレブンはどのように商品・売場づくりを進めているのか。
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