コストコVSサムズクラブ 店数ついに逆転、かたやDX で先行

文:後藤文俊
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米国を代表するホールセラー大手のコストコ(Costco Wholesale)とサムズクラブ(Sam’s Club)。ホールセラー業態は物価高騰下での需要を取り込み成長を続けているが、2社の経営戦略はそれぞれ一線を画したものとなっており、それは足元の取り組みやニュースにも強く表れている。

需要増で不正利用も増加、コストコが抜本的対策へ

 コストコはここ1年、“小さいようで大きな変化”を遂げている。

 まず1つは、24年に入ってから大人気の「ロティサリーチキン」の容器がプラスチックバッグに変更になったことだ。09年以降、価格を4.99ドルに維持している同商品。世界的なインフレが続くなかでも、何とか価格を上げまいとするコストコの意地が伝わってくる。

コストコ外観
コストコは米国内での店舗数でライバルのサムズクラブを抜いた。業績も好調に推移している

 もう1つの変化は、入店時の会員カードのチェックが厳格化されたことだ。

 コストコには一般会員にあたる「ゴールドスター会員」(年会費60ドル)と、上位の「エグゼクティブ会員」(同120ドル)の2種類がある。カードには顔写真が貼付され、ルール上は利用できるのは本人のみ。しかし、家族や友人間でカードを貸し借りするケースは少なくなく、さらに昨今の物価高騰でそうした不正シェアが増加していたようだ。

 不正利用の対策としてコストコではもともと、入店時とレジでの会計時に本人確認を行っている。しかし混雑時には行列ができて混乱が生じるリスクがあるほか、不正利用を経て商品に満足したお客は新規会員として取り込める可能性も高い。そうした観点もあり、実際にはカードをちらっと確認するだけ、ということがこれまでは多かった(日本でも同じような経験を持つ方がいるだろう)。

 しかし、最近では不正利用が目に余る数になったのか、米国の店舗では厳しいチェックが行われるようになった。抜き打ちで免許証などの本人確認用IDとの照合を行ったり、さらにワシントン州イサクアの本部隣接の店舗では、スキャナーを用いて登録情報と実際の利用者に相違がないかを確認したりまでしている。ニュースメディアがコストコ側に確認したところ、スキャナーによる確認は複数の店舗でテストしている段階だという。

米国内の店舗数はコストコがトップに

 “入店ハードル”が上がったことで客離れを起こしているかと言えば、答えは

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