[23日 ロイター] – 米家電量販大手ベスト・バイが23日発表した第4・四半期(11月─2022年1月)の既存店売上高見通しはアナリスト予想を下回った。重要な年末商戦が商品不足による打撃を受けると予想している。
ベスト・バイは第4・四半期の既存店売上高が前年同期比で2%減─1%増になるとの見通しを示した。リフィニティブのIBESデータは0.1%増を予想しており、ベスト・バイの見通しの中間値はそれを下回る。
ベスト・バイの株価は今年に入って40%近く上昇したが、23日は一時15%強急落した。
年末商戦に向けて小売業者は在庫確保に向けた圧力を受けている。輸送の停滞、アジアの工場の閉鎖、原材料の不足などが世界のサプライチェーン(供給網)に支障を来しているためだ。
電子機器用の半導体不足により、ソニーグループやマイクロソフトの最新家庭用ゲーム機といった需要が高い一部製品の入手が困難になっている。
一部のアナリストは、米アップルのiPhone最新機種の供給が年末商戦に打撃を受ける可能性があると警告している。iPhoneやゲーム機の新機種は大量に売れるのに加え、他の商品も購入する顧客を引き寄せる磁石となるためベスト・バイにとって非常に重要だ。
調査会社グローバルデータのマネージングディレクター、ニール・ソーンダース氏は「アップルのiPhone新機種や新しいノートパソコンを手に入れるのは非常に困難だ。これらの商品は理論上では休暇が近づくにつれて売り上げを伸ばすはずだが、在庫は依然低い水準だ」と指摘した。
このような供給状況を踏まえ、ベスト・バイは先月開始した年会費200ドルの新しい会員プログラムの特典として、年末商戦で「最も入手困難な商品」を入手しやすくすることを盛り込んだ。
しかし、プログラム開始に当たっての関連費用や、一部商品の出荷を早めるための費用の増加によって利益率が低下した。米小売業大手のウォルマートやターゲットなども同様の問題を抱えている。