ビオセボンと無印良品 「非にして似たる」ファン獲得の戦略とは

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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値頃感でファンを増やす

 ファンを増やすために何をするかとなると、確実な方法の一つは、商品価格をもっと購入しやすいものにすることです。良品計画はここ数年、価格を引き下げる施策を続けてきました。MD戦略として「生活の基本領域」という枠組みを設定し、日常使いのブランドとして認知が広がるよう取り組んでいます。ビオセボン・ジャポンは低価格を追求しているわけではありませんが、値頃感は重視しています。普段使いできる価格でないと「オーガニックを日常に」とはならないからです。

顧客の目につくところでMD戦略をアピール(ジョイナス店)

 カテゴリーの領域もチェーン規模も異なる無印良品とビオセボンですが、商品コンセプトの明確さや、より手に取りやすい価格にしていくことでファンを増やそうとする意志、そしてファンが増えることで可能になる小商圏ビジネスを志向した出店戦略などは似ています。この相似は、食品にフォーカスすることから生まれてくるように思います。食品は来店頻度を高めますが、商圏の広がりには制約も生みます。どちらの業態も、そうした条件の中でコンセプトの明確な取り扱い商品へのファンづくりを進めています。

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