ビオセボンと無印良品 「非にして似たる」ファン獲得の戦略とは

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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ファンを掘り起こす熱意

 コンセプトが明確な専門店に来店するのは、多かれ少なかれそのコンセプトに共感するファンです。裏を返せば、ファンでなければ来店しないわけであり、客数を増やすことはファンを増やすこととイコールではないでしょうか。コロナ禍にあって、さらには環境問題によってライフスタイルを見直す気運が高まっている昨今にあって、「感じ良いくらし」も「オーガニックを日常に」も、共感を広げていきそうなコンセプトです。時代に即したコンセプトという点も、両業態の「非にして似たる」ところです。

販売方法も含めて「感じ良いくらし」を追求(港南台バーズ店)

 ファンは自ずと増えそうな両業態ですが、経営トップは、ファン獲得を戦略的に加速させようと意欲的です。無印良品を運営する良品計画(東京都/堂前宣夫社長)は7月の中期計画の記者会見で、堂前社長(会見時は専務)が「当社のコンセプトに共感していただいている一部のお客さまに受け入れてもらえればいいということではない。より多くの人に支持いただけるよう努めていく」と語っていました。そのためには戦略的に荒利率を下げてでも値頃感を追求し、一方で生活圏に近いところへ出店するなど、これまでの経費構造を変えていくと言いました。
 ビオセボン・ジャポン(東京都)の岡田尚也社長は、7月の新店オープンの囲み取材の際に「ビオセボンは基本的に小商圏のビジネス。これを成立させるには、オーガニックに関心はあるけれど、まだ実際には取り入れていないという生活者をいかに掘り起こしていくかが重要」と語りました。専門店が打ち出すコンセプトは、独自性が明確で強力なほど顧客を選んでしまう側面があります。だからこそ「コアなファン」になるわけですが、それでよしとせずに共感の輪を広げていこうとする姿勢が両者にはあります。

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