テンセント、第2四半期は予想上回る29%増益 一段の規制強化を予想
[上海 18日 ロイター] – 中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)が18日発表した第2・四半期決算は29%の増益と、予想を上回った。一方、中国当局によるIT(情報技術)業界への規制が今後一段と強化されると予想した。
第2・四半期の純利益は426億元(66億ドル)。リフィニティブがまとめた市場予想の344億元を上回った。一部の投資先企業の評価額を引き上げたことも寄与した。
人気ゲームの売上高やオンライン広告収入の増加が寄与した。
ゲームでは「ピースキーパーエリート」の売上高が落ち込んだものの、「王者栄耀」や「PUBGモバイル」が好調だった。
売上高は20%増の1383億元。モバイルゲームの売上高は13%増加した。
中国政府はITをはじめとする産業の規制を強化しており、テンセントも標的にされてきた。
テンセントの劉熾平社長は決算発表後のアナリスト向け電話会見で「短期的には不透明感が広がり、今後、新たな規制が多数導入されるだろう」と指摘。規制当局は「業界の慣行を特定・是正することに非常に力を入れいている」とした。
IT業界の規模や重要度合いに比べて監視が「緩かった」これまでの状況を踏まえると、規制強化は当然予期すべきだったと述べ、テンセントは「この新たな環境を完全に受け入れる」好位置にあるとの認識を示した。
「政府は業界にとって長期的に持続可能な道筋を作ることを目標にしている。同業界の経済、社会的側面における重要性や、国際競争力への貢献を政府は認識している」と語った。
当局は同社に対し、音楽の著作権について独占的な契約を結ぶことを禁じたほか、傘下のゲーム動画配信サイトである闘魚(DouYu)と虎牙(HUYA)の合併計画を却下した。
同社はまた、国営メディアがオンラインゲームを「精神を蝕むアヘン」と批判したことを受けて、王者栄耀の未成年者の利用を制限する新たな措置を発表した。
決算発表文で同社は、未成年者のゲーム利用制限は「規制上必要とされている以上の」自発的な措置だと説明した。
第2・四半期はゲームの総売上高に占める16歳未満の利用者の比率が2.6%にとどまった。劉社長は、業界全体で規制当局と協力、全てのゲームについて未成年者のゲーム利用時間を制限する方法を探っていると明らかにした。
中国当局は営利目的の個別学習指導を禁止したが、同社はこの措置で教育関連企業の広告支出が減り、オンライン広告収入が打撃を受けると見込んでいる。
テンセントは、自社の技術や専門知識を他の企業や公共サービスに提供し、経済や社会に貢献する取り組みを拡大していると強調した。