ソフトバンクG傘下のフォートレス、英モリソンズ買収で合意 87億ドル
[ロンドン 3日 ロイター] – ソフトバンクグループ傘下の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループ率いる連合は、英4位の老舗スーパー、モリソンズを63億ポンド(87億ドル)で買収することで合意した。
モリソンズには、米プライベートエクイティー(PE)クレイトン・ドゥビリエ&ライス(CD&R)も55億2000万ポンドの買収案を提示したが、モリソンズは拒否していた。
カナダの年金基金などが参画するフォートレス連合の買収条件は、モリソンズ株1株当たり254ペンス。CD&Rによる買収提案の前日(6月18日)の終値を42%上回る水準。CD&Rの条件は230ペンスだった。
英の買収関連規則でCD&Rは7月17日までに対抗案を提示できる。CD&Rはコメントを控えた。
アナリストの間では、モリソンズと提携する米アマゾンや他のPEが名乗りを上げるとの見方がでている。
モリソンズは1899年創業。約500店舗を展開し、年間売上高がテスコ、セインズベリー、アスダに次ぐ国内4位。
モリソンズのアンドリュー・ヒギンソン会長は、フォートレスの事業計画などを慎重に検討した結果、モリソンズの基本的な特徴を理解し尊重していることが明らかになったと述べた。
フォートレスは、モリソンズの本社やデビッド・ポッツ最高経営責任者(CEO)率いる経営陣を維持する方針。
PEは、現金創出力などを理由に英スーパー業界に注目している。
フォートレスは2019年に英ワイン販売会社マジェスティック・ワインを買収している。
フォートレスのマネジングパートナー、ジョシュア・パック氏は、モリソンズのステークホルダーグループや英市民に長期的に尽くせるよう努めると述べた。
英野党労働党は、雇用保護などの観点から買収計画を綿密に審査するよう政府に求めた。