台頭するディスカウンターにスーパーはどう対抗するのか?英独仏食品小売寡占化動向
英調査会社のユーロモニターによると、2020年の欧州※のグロサリー市場規模は対前年比5.3%増の約1兆4941億ドルだった。本稿では、欧州全体のシェアの5割を占める主要3カ国(ドイツ、英国、フランス)に注目し、各国の寡占化動向を見ていきたい。
※本稿では、17カ国(ドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン、トルコ、オランダ、スイス、ベルギー、スウェーデン、オーストリア、ノルウェー、ポルトガル、デンマーク、ギリシャ、フィンランド、アイルランド)を指す。文中の市場規模やシェアの数値は英ユーロモニターのデータに基づく。データはすべて実店舗のもので、EC売上高などは含まない
ドイツ
市場規模約2664億ドル 上位4社のシェア7割超に
ドイツの20年度のグロサリー市場規模は対前年比5.6%増の2664億ドル(29兆3040億円:1ドル=110円で換算)。そのうち、エデカ(Edeka)、レーヴェ・グループ(REWE Group)、ハードディスカウントストア(HDS)のリドル(Lidl)を傘下におさめるシュヴァルツ・グループ(S c h w a r t zGrouppe)、アルディ(Aldi)という上位4社の市場シェアが71.6%を占めており、17年度時点の69.2%に比べて市場の寡占化がさらに進んでいる。
ドイツでは、価格競争が厳しく、リドルやアルディのほか、エデカ傘下のネットー(Netto)、レーヴェ・グループ傘下のペニー(Penny)のようなディスカウントストア(DS)が優勢であったが、近年は消費者が食のおいしさや品質をより重視するようになり、エデカやレーヴェ(REWE)といった食品スーパー(SM)がシェアを伸ばしている。独市場調査会社GfKは、消費者ニーズの変化について
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