[ロンドン 5日 ロイター] – IHSマークイットが発表した9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は50.4となり、8月の51.9から低下した。
新型コロナウイルス感染再拡大で経済活動の一部が再び抑制されたことを受けサービス部門PMIは48.0となり、8月の50.5から低下した。速報値の47.6は上回った。
50が景気拡大・縮小の分かれ目となる。
IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「9月のユーロ圏経済は失速状態となり、第4・四半期に改めて下振れとなる可能性が明確に高まった。今後は感染第2波が制御できるか、ソーシャルディスタンス規制が緩和されてサービスセクターの活動が再び上向くかにかかっている」と述べた。
サービスセクターでは需要が低下、雇用も7カ月連続で縮小した。新規事業指数は49.8から48.1に低下した。
将来の生産を示す総合指数は57.8から60.5に上昇した。
9月の統計では、ユーロ加盟国間の格差が広がっていることも判明。
ドイツのサービス部門PMI改定値は50.6と、前月の52.5から低下したものの、サービス部門と製造業を合わせた総合PMI改定値は54.7で、前月の54.4から上昇。速報値の53.7からも上方改定された。
一方、フランスの総合PMI改定値は48.5と前月の51.6から低下し、3カ月ぶりに節目の50を下回った。サービス部門PMI改定値は47.5に低下し50を割り込んだ。
イタリアのサービス部門PMIは48.8と、前月の47.1から上昇したが、2カ月連続で50を下回った。
キャピタル・エコノミクスのジェシカ・ハインズ氏は「サービス部門は感染拡大抑制策の強化で影響を受けている」とし、「ユーロ圏ではフランスやスペインなどで抑制策が強化された。感染の再拡大で消費者は一段と慎重になっている」と述べた。