[ワシントン 1日 ロイター] – 米経済は過去1週間、引き続き緩やかなペースで回復した。指標は企業が再雇用していることを示しているが、その一方で政府による一連の支援策は息切れした可能性がある。
UKGのデータによると、さまざまな業種でシフト勤務が増えた。9月は週間ベースのシフト勤務が1%増となり夏場の落ち込みから回復した。また全業種のシフト勤務は年初の95%の水準に接近している。
セーフグラフの情報によれば、携帯電話のデータに基づく米小売店の来客数は3月1日の水準を上回った。ユナキャストのデータでは客数は新型コロナウイルスの大流行が始まる前よりもやや少ない。ただ同社による15業種の分析によれば、9月26日までの週の客数は前年を4%下回っているにすぎない。
シュムラ・エコノミクスとインディードの求人に関するデータは企業が人員を増やしていることを示している。インディードへの求人情報は前年比を17%下回っているが、マイナス幅は3月下旬以降で最も小さくなった。
経済成長見通しは全般的に改善している。ニューヨーク連銀の国内総生産(GDP)予想「ナウキャスト」は着実に上向いている。 アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、第3・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率見通しは年率34.6%となった。
オックスフォード・エコノミクスの景気回復に関する指標は3月中旬に非常事態宣言が出された週以降で最も高水準となった。
ただ年初の水準をなお18%下回っている。特に非熟練労働者や低賃金労働者の苦境が鮮明で、政府の給付金が途絶えたら住宅の立ち退きや債務の不履行が相次ぎ経済に広範なストレスがかかるとの懸念が出ている。
オープンテーブルのレストランの予約状況に関するデータとホームベースによる中小企業の雇用に関するデータはいずれも失速し、雇用と成長の回復がほかと比べて進まない可能性を示している。
オックスフォードの米国担当チーフ・エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「景気が減速し、財政刺激策が終了し、インフルエンザの季節が近づき、大統領選を巡る不透明感が高まっている中で第4・四半期の労働市場がどの程度力強いかが問題だ」と指摘。「経済はなお深い穴から抜け出せていない」と語った。