[ロンドン 21日 ロイター] – IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は前月から低下した。新型コロナウイルス関連規制の緩和に伴い、規制期間中に蓄積された需要がはけ、特にサービスが失速した。
総合PMIは51.6。景況拡大と悪化の分かれ目の50は上回ったものの、7月の54.9から低下しロイターが集計した予想の54.9を下回った。
IHSマークイットのエコノミクスディレクター、アンドリュー・ハーカー氏は「ユーロ圏の回復は8月に勢いを失い、内在需要の弱さが鮮明になった。域内各地の感染再拡大の兆候が回復を弱めている」と述べた。
新規事業に関する指数は52.7から51.4に低下した。
サービスPMIは54.7から50.1に低下。市場予想(54.5)以上に悪化した。需要の減少に伴い、サービス企業は6カ月連続で人員を削減。雇用指数は47.7と、7月の47.9から低下した。
サービス業に比べてコロナ禍による傷が浅かった製造業のPMIは51.8から51.7に低下。予想は52.9だった。
生産指数は55.3から55.7に上昇。
原材料の購入動向を示す指数は49.6。7月の48.3から上昇したものの、節目を下回り、製造業者が生産活動の急回復を見込んでいないことをうかがわせた。