ウォルマート、インドの会員制卸事業をフリップカートに統合
米ウォルマートはインドの会員制卸事業を、子会社のフリップカートグループ(Flipkart Group)に統合する。2007年にインドに進出したウォルマートは現在、会員制卸店「ベストプライス・モダンリテール」28店舗を展開しているが、赤字が続いているものと見られ、インド事業を再編することで収益の改善を図る。
フリップカートはインドのEC(インターネット通販)大手だが、これまでリアル店舗はなかった。同社は、ベストプライス事業を展開するウォルマートのインド現地法人の株式を全て取得し、8月から卸売事業を始める。
ベストプライスの平均的な店舗面積は約4600平方メートルで、生鮮を含む食品や日用品、家電品など5000品目ほどを取り扱う。店舗で商品を購入できるのは会員のみで、小規模な小売業や個人経営の零細商店、飲食店、ホテルなどが主な会員となっている。会員数は現在、約150万人。
インドでは、小規模小売業や零細商店を保護するために外資の小売事業を規制しており、ベストプライスの会員になるには小売店や飲食店などの事業免許を提示する必要がある。このため、一般消費者はベストプライスで買い物ができない。
ベストプライスは、ネットで注文を受けた商品を会員に配達するEC事業も行っており、2カ所のEC用配送センターを持っている。こうした施設や従業員なども全てフリップカートが引き継ぐ。
フリップカートは買収価格を明らかにしていないが、同社は先ごろウォルマートを中心とした投資家グループから12億ドル(約1300億円)の資金を調達しており、この資金の一部が買収に充てられた可能性もある。