[29日 ロイター] – 格付け会社フィッチ・レーティングスは29日に公表した独自の世界経済見通しで、世界経済は2020年は4.6%のマイナス成長に陥るとの見方を示した。ただ21年は4.9%のプラス成長を回復すると予想している。
フィッチのチーフ・エコノミスト、ブライアン・クルトン氏は、 新型コロナウイルス感染が再度拡大し、ロックダウン(都市封鎖)などの感染拡大抑制策が再び導入され、景気回復の足取りが大幅に遅延するリスクはなお高いと指摘。「雇用情勢を巡る先行き不透明感に加え、感染拡大抑制に向けたソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)などが向こう1年半にわたり家計消費の重しとなる」と述べた。
ただ、フィッチは5月に小売販売が米国、英国、スペインなどで急増したことなどを踏まえると、経済は安定化に向かう可能性があるとの見方を示した。
国別の20年のマイナス成長幅の予想は、米国が5.6%、ドイツが6.3%、英国が9%。このほか、ブラジル、メキシコ、ロシア、トルコ、南アフリカ、インドネシアなどの成長率見通しが下方修正された。