[ワシントン 10日 ロイター] – 米労働省が10日発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%下落した。下落は3カ月連続。新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた景気後退(リセッション)により需要が引き続き抑制されていることが示された。
4月は0.8%下落と、2008年12月以来の大幅な下落を記録した。
5月は前年比で0.1%上昇。伸び率は4月の0.3%上昇から鈍化し、15年9月以降で最低だった。
エコノミスト予想は前月比が横ばい、前年比が0.2%上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%下落。4月は0.4%下落と統計を開始した1957年以降で最大の落ち込みだった。コア指数は3月に10年1月以降で初めて下落に転じた。コア指数が3カ月連続で下落したのは初めて。
コア指数の前年比は1.2%上昇。伸び率は11年3月以降で最低だった。4月は1.4%上昇していた。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は4月に前年比1.0%上昇と、10年12月以降で最低の伸びだった。5月のコアPCE価格指数は今月下旬に発表される。
労働省によると、新型コロナ流行の影響により、3月16日以降は店舗内のデータを収集できない状況が続いており、5月も一時的な事業閉鎖などを受け利用できないデータが増加。通常よりも少ないデータに基づいているとし、5月は一部のデータが公表されなかった。