米小売売上高、2月は約1年ぶりの大幅減 新型コロナの影響広範
[ワシントン 17日 ロイター] – 米商務省が17日発表した2月の小売売上高は前月比0.5%減と、市場予想の0.2%増に反して落ち込んだ。減少率は2018年12月以来最大。幅広い項目の売り上げが減少し、新型コロナウイルスの感染拡大で向こう数カ月は小売売上高は低迷するとみられる。
1月の小売売上高は当初発表の0.3%増から0.6%増へ上方改定された。
オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア米国担当エコノミスト、リディア・ブソル氏は「新型ウイルスの感染拡大で経済の主力エンジンは停止する」と指摘。「自宅で過ごす人が増える中、裁量支出のほか『社会的』支出の大幅な減少が予想される」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をほぼ0%まで切り下げたほか、数千億ドル規模の資産買い入れも発表した。他の主要中銀とともにドルの流動性供給を拡充する対策も打った。パウエルFRB議長は新型ウイルスの感染拡大が経済に「深刻な」影響を及ぼしていると述べた。
2月の前年同月比は4.3%増だった。
自動車とガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高は前月から横ばい。1月は当初発表の横ばいから0.4%増へ上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も大きく連動するとされる。
自動車は0.9%減。前月は0.8%増加していた。ガソリンスタンドの売上高はガソリン価格の低下を反映し2.8%減少した。
電子機器・家電は1.4%減。建材は1.3%減。過去数カ月は暖冬の影響で押し上げられていた。衣料品は1.2%減。家具は0.4%減。
オンライン小売と通信販売は0.7%増。前月は0.2%増加していた。
生鮮食料品とヘルスケア商品はやや減少。ただ2月下旬には一部のスーパーマーケットなどでパニック買いも見られた。
レストランやバーなどの外食は0.5%減。エコノミストは今後、大きく減少すると予想している。運動・娯楽は0.1%増。
ナロフ・エコノミクスの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「第2・四半期は大幅なマイナス成長に陥る恐れがある」とし、「人々の生活が正常化するまで低下は止まらない」と述べた。