世銀、2020年のタイの経済成長予想を2.7%に下方修正
[バンコク 17日 ロイター] – 世銀は17日、タイの2020年の経済成長率予想を2.7%に下方修正した。昨年10月時点では2.9%との見通しを示していた。修正後の数字はそれでもなお、昨年の成長率予想を上回っている。民間消費の回復と、大型インフラプロジェクトによる投資拡大が寄与するという。
世銀は声明で、2019年の同国の経済成長率は5年ぶりの低水準となる2.5%と予想。輸出の減少と内需の弱さが主因。2018年の経済成長率は4.1%だった。
タイ経済は輸出依存度が高く、米中貿易摩擦やバーツ高が痛手となった。投資の不振も足かせとなった。
「最近の経済成長の減速は、投資の減速や生産性の低い伸びなどタイの構造問題を浮き彫りにした」と世銀は指摘。「投資や生産性の伸びに目立った改善がなく、現在のトレンドが続けば、タイの年平均の経済成長率は3%を下回る水準にとどまる」と警告した。
2037年までに高所得国の仲間入りをするという目標を達成するには、タイは長期的に5%を上回る経済成長率を維持する必要があり、これには3%の生産性の伸びと、投資を国内総生産(GDP)の40%に相当する規模まで拡大する必要があるとの分析を示した。