米年末商戦スタート、例年より行列少なめ ネット販売増などで
[ニューヨーク/ワシントン 29日 ロイター] – 米国では29日、年末商戦の幕開けとなる感謝祭明けの「ブラックフライデー」を迎えた。今年は店舗に行列をつくる人の姿が例年より少なく、セール前倒しやオンラインショッピング拡大の影響が出ているとみられる。
一部の消費者は、トランプ大統領による中国製品への追加関税を受けた値上げを懸念する声もあるが、多くの大手小売店は価格への転嫁を控えている。
店舗集客数はなお重要な指標であるものの、感謝祭やブラックフライデー期間中にオンラインで買い物をする人も多い。全米上位100のオンライン小売業者のうち80社の取引をカバーするアドビ・アナリティクスによると、ブラックフライデーのオンライン販売額は昨年比20.5%増の75億ドルと見込んでいる。
セールスフォースによると、感謝祭当日のオンライン販売額は17%増の41億ドル。世界全体では24%増の200億ドルになったという。
ウォルマート、ターゲット、コストコ・ホールセール、ベスト・バイなどの米小売大手もオンライン販売や配送、店舗でのピックアップサービスを強化している。
一方、今年は感謝祭からクリスマスまでの年末商戦期が通常より6日少ないため、すでにセールの前倒しが行われるなど、例年と比較しづらい面もある。
このため、11月初めの消費が拡大。全米小売業協会(NRF)の調査によると、回答者の半数以上が11月第1週に年末向けの買い物をした。平均で見ると、これまでにほぼ25%の買い物が済んでいるという。
調査会社リーテイルネクストのローレン・ビター氏は「多くの店がハロウィーン直後に多くの販促を開始した」と指摘。こうした動きで、従来の年末商戦期に見られた販売増が抑制される可能性もあるとした。
この日買い物に出掛けた消費者からは、いつもと同様に価格を比べながら最安値で買うようにしているとの声も聞かれた。あるスポーツ用品店で取材に応じた男性(76)は店舗とオンラインで価格を比較するつもりと答えた。