来年の米成長率予想を1.9%に引き上げ、米中協議を楽観視=ファニーメイ
[ニューヨーク 18日 ロイター] – 米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)は18日、米中が通商協議で「第1段階」の合意に達すれば米国の消費と住宅市場が国内総生産(GDP)押し上げに貢献するとし、2020年の米経済成長率予想を1.9%と、1.7%から引き上げた。ただ19年の成長率予想は2.1%と、2.2%から下方修正した。
ファニーメイは、米中は第1段階の合意に合わせて、12月15日付で予定される対中追加関税を撤廃すると予想。ファニーメイの首席エコノミスト、ダグ・ダンカン氏は「世界的に不確実性が高まる中でも、米経済は目覚ましい水準ではないとしても、底堅く成長すると予想している」と述べた。
ただファニーメイは、米中協議が物別れに終われば米経済成長に対する主要なリスクになるとも指摘。両国間の緊張は短期的には緩和されるものの、包括的な合意の公算は小さいとの見方も示した。
実際に貿易戦争により米国の製造業部門と企業投資は痛手を受けている。ファニーメイは今年第4・四半期の見通しも1.6%と、2.1%から下方修正した。ダンカン氏は「第3・四半期が予想より力強かったことが、第4・四半期見通しの下方修正につながった。貿易と投資が弱含むと予想されていたが、この一部は第4・四半期にずれ込んだとみられている」と述べた。
ただファニーメイはこうしたトレンドは長続きしないと予想。失業率が低下し、消費が引き続き増加する中「需要に対応するために企業は投資を増加させる必要がある」とし、こうしたことを背景に「われわれの来年の企業投資に対する見方は改善した」とした。
米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に関しては、年内の追加利下げはないと予想。来年の利下げ回数は1回のみとの見方を示した。
このほか下方リスクとして、世界的な経済成長、英国の欧州連合(EU)離脱、香港で発生している政府に対する抗議活動などを挙げた。