中国PPI、10月は前年比-1.6% CPIは約8年ぶりの高い伸び
[北京 9日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下と、2016年7月以来の大幅なマイナスだった。ロイターがまとめたアナリスト予想は前年比マイナス1.5%だった。
9月は1.2%低下していた。
国内製造業が需要減と米中貿易摩擦の影響に苦しむなか、政府が景気刺激策を続ける可能性が高まっている。
Changjiang証券のマクロアナリストは、不動産セクターからの重しが一段と顕著になるとの見方を示した。同セクターは政府の住宅投機取り締まりやデベロッパー向け融資を巡る政策引き締めに苦しんでいる。
同アナリストはまた、今後の物価情勢について「昨年の伸びが低いことが数カ月は少し支援するが、需要に下押し圧力がかかっており、生産者物価のデフレは続くだろう」と指摘。「前年比マイナスが続くかもしれない」と予想している。
一方、10月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇。2012年1月以来、ほぼ8年ぶりの高い伸びを示し、アナリスト予想(3.3%上昇)を上回った。9月のCPIは3%上昇していた。
アフリカ豚コレラの影響で、統計局によると10月の豚肉価格は前年比で2倍超に跳ね上がり、CPI上昇の60%以上を占めた。
食品とエネルギーを除くコア消費者物価は1.5%の上昇だった。
中国当局は2019年のCPI上昇率目標を3%前後としている。1─10月は2.6%上昇した。
ノムラのアナリストは1日付のリポートで「中国人民銀行(中央銀行)が緩和スタンスを継続すると見込んでいるが、豚肉価格が高騰し他の食品価格に影響を与える中、賃金・物価スパイラルが起きるリスクは高まっている」と分析。
「人民銀はインフレ期待の高まりを回避するため、今後数四半期に大規模な政策緩和を実施するのに一段と消極的になる可能性がある」と指摘した。