盛り上がりはNRF以上!? 関係者必見の米小売イベント「ShopTalk」レポート
ショップトークから浮かび上がった6つのキーワード
本稿では最後にイベントを通して多く使われていたキーワードを6つ紹介したい。
1つは「決済」だ。とくに「ワンクリック決済」と呼ばれる決済サービスがコンバージョン率およびリピート率を高めると同時に、詐称の検知や防止という観点からも注目されている。
2つ目は「サプライチェーン」である。小売業界全体として人手不足が深刻な問題となっている。そうした中で、ミドルマイル配送を自動運転で実施する取り組みがドライバー不足解消への有効な手段として期待されている。
3つ目は「サステナビリティ」。今年からショップトークにおいて、数値化可能な小売企業の改革・リーダーシップ・サステナビリティに貢献した企業4社に「ATLIS Award」が贈られている。昨年のCOP26後、各企業の行動変革が大きく影響している。
4つ目は「パーソナライゼーション」である。バーチャル試着などから想像できるように、ARやアプリを通して、シームレスなショッピング体験を実現すると同時に、より良い製品開発や在庫管理、顧客の購買行動分析等にデータを活用できる点で注目されている。
5つ目は「メタバース/NFT」である。VRヘッドセットやアプリ不要で、ウェブ上で高品質の3Dグラフィックスを閲覧できる技術も紹介されている。オンライン上での購買体験をより楽しく充実させるという点で注目されている。
6つ目は「ライブコマース」が挙げられる。製品関連画面上に消費者を長く滞在させられるという点で注目されており、店舗店員をマイクロインフルエンサーとして教育するという点も話題になっている。
次回は、ショップトークの基調講演の中でもとくに興味を惹かれた講演の1つ、インスタカートCEOのFidji Simo(フィジー・シモ)氏が語った内容について詳しく解説していく。