ユーロ圏CPI、1月も前年比で過去最大 コア鈍化もECBに圧力
[フランクフルト 2日 ロイター] – 欧州連合(EU)統計局が2日発表した1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比上昇率が5.1%となり、過去最大だった12月(5%)を上回った。4.4%に鈍化すると見込まれていたが、予想外の記録更新となった。
エネルギー価格高騰が引き続き押し上げ要因だが、食品価格も急上昇。サービスと工業製品も高止まりしている。未加工食品は5%以上の上昇となった。
物価上昇率5.1%は、欧州中央銀行(ECB)が目標としている2%の2倍以上。ECBが依然として期待しているほど、物価上昇圧力が穏やかで一時的かを疑問視する見方が既にでている。
ナティクシスのユーロ圏エコノミストは、「インフレの上振れリスクをECBは認識する必要があり、12月に示した見通しは穏やかすぎる。基調物価圧力は引き続き高くECBは苦しい立場にある」と述べた。
ECBが注目する食品とエネルギーを除いたインフレ率は2.7%から2.5%に鈍化。食品とエネルギーに加え、アルコール、たばこを除いたベースも2.6%から2.3%に鈍化した。双方とも予想をかなり上回り、依然としてECBの目標を上回っている。
インフレが高水準なことを受け、市場は年末までに0.30%ポイントの利上げを織り込んだ。
ピクテ・ウェルス・マネジメントのストラテジストは、「第1・四半期の総合インフレ率はECBのスタッフ予想を1%ポイント以上上回る軌道にある。ECBは来年の3月と6月に預金ファシリティー金利を0.25%づつ引き上げて0%に戻すと予想している」との見通しを示した。