資生堂、上期で営業益進捗率85% コロナ不透明で通期据え置き
[東京 5日 ロイター] – 資生堂は5日、2021年1―6月期の連結営業利益が230億円になったと発表した。前年同期の34億円の赤字から黒字転換した。通期見通しは270億円で進捗率は85%に達しているが、国内外での新型コロナウイルス感染拡大の先行きが不透明なことから、通期見通しは据え置いた。
1―6月期は、売上高・営業利益ともに会社側の想定を上回ったという。日本は、緊急事態宣言などで厳しい状況が続いたが、コロナから回復してきた欧米や中国がカバーした。
ただ、足元では、日本だけでなく、欧米などでもデルタ型の拡大がみられる。魚谷雅彦社長は会見で「1カ月前の決算発表ならば、こうは考えなかった」と述べ、コロナ感染拡大の先行きが不透明となったことで、通期の業績予想を据え置いたと説明した。
2021年12月通期の営業利益は270億円(前年比80.4%増)、純利益は355億円(前年は117億円の赤字)の見通し。IBESがまとめたアナリスト17人の通期営業利益の予想平均は510億円。通期見通しについては「外部環境や市場動向を慎重に見極め、改めて開示する」としている。
1―6月期の純損益は172億円の赤字になった。「ドルチェ&ガッバーナ」のグローバルライセンス契約終了に伴う特別損失339億円など構造改革費用を計上した。純損失は、前年同期の213億円からは縮小した。
同社では、構造改革等を除く既存ビジネスベースでは、246億円の黒字だったとしている。