[東京 13日 ロイター] – ジャパンディスプレイは13日、2020年4―12月期の連結営業損益が198億円の赤字になる(前年同期は326億円の営業赤字)との見通しを発表した。全売上高の過半を占めるモバイル分野が競争激化のために減収となることなどが影響する。経費削減や新製品の投入などにより、売上高が3000億円弱でも黒字化できるようなプランを示したいとしている。
通期の売上高予想は3300―3500億円(従来予想は3780―4284億円)に下方修正した。前期は5040億円だった。スマートフォン向けのディスプレイで低単価のパネル製品の需要が増加する一方、単価の高いモジュール製品の需要見通しが従来想定以上に減少しているため。
通期の営業損益見通しは開示していない。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は180億円の営業赤字。会社側では「損失縮小見込みも、赤字が継続しており対応が必須」としており、経費削減とともに、新商品の開発・新規市場参入による売上増を図る方針を示した。菊岡稔社長兼CEO(最高経営責任者)は会見で「売上高が3000億円弱でも黒字化できるプランを経営戦略として示したい」と述べた。
今期は固定費で前期比280億円以上、変動費で100億円以上の削減を行う計画。
20年4ー9月期の営業損益は98億円の赤字(前年同期は351億円の赤字)、純損益は362億円の赤字(同1041億円の赤字)だった。
新型コロナウイルスの感染拡大により、有機EL(OLED)ディスプレイ事業の黒字化が当初の予定時期より後ろ倒しとなることから、固定資産の減損損失102億円を特別損失として計上した。菊岡CEOは「今後もこの分野の強化は一切変わりない。今回、保守的に減損した」と説明した。