日本百貨店協会が発表した9月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比33.6%減となった。前年は消費増税前の駆け込み需要で23.1%増と大きく伸びており、その反動が出た。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛も続いていることから、8月の22.0%減を下回りは、12カ月連続のマイナスとなった。
増税前の駆け込み需要の影響がない前々年と比べると、18.7%減だった。各社が実施した会員優待施策や物産展の再開などにより、来店客数は復調傾向を示した。
地区別では、10大都市が35.5%減、10大都市以外の地方は28.4%減だった。インバウンド(訪日外国人客)向けの免税売上げは91.6%減の21億2000万円と、8月連続のマイナスだった。
商品別では、駆け込み需要の反動が大きかった雑貨(45.7%減)や身のまわり品(37.1%減)が特に苦戦。リモートワークが続いてビジネス需要が落ち込んでいる衣料品も、38.0%減と振るわなかった。食料品は内食・家飲み需要もあって精肉や鮮魚、酒類などの動きがよく、13.4%減だった。
10月の東京地区の売上高は、15日時点で3.4%減で推移している。前年は消費増税後に需要が落ち込んだことから、その反動増がある。日本百貨店協会では、「GoToトラベルキャンペーン」が10月から東京発着も対象となったため、来店客数の復調が期待されるとしている。