米総合PMI、9月は低下 経済の勢い失速裏付け
[23日 ロイター] – IHSマークイットが23日公表した9月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.4と、8月の54.6から低下した。製造業が伸びる一方、サービス業が低下し全体水準を押し下げた。第3・四半期が終わりに近づく中、新型コロナウイルスの影響は続いており、経済の勢いがなくなっていることを示唆した。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。
民間部門は拡大し続けているものの、9月のPMIは、景気刺激策の効果が薄れる中で経済の勢いがなくなっているとの見方を後押しする。
第3・四半期の国内総生産(GDP)は最大32%増と、過去最大の伸びを記録する見込みだ。第2・四半期は31.7%減と、政府が記録を開始した1947年以来最も大幅な落ち込みとなった。
新型コロナの危機は5年超分の経済成長を帳消しにした。エコノミストは政府に対し、ぜい弱な経済回復を下支えするために新たな救済策を導入するように呼び掛けている。米経済は2月に景気後退(リセッション)入りした。
IHSマークイットのエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「経済の好調なペースが第4・四半期も保たれるかどうかが問題だ」と指摘。11月3日の大統領選を巡る先行き不透明感も高まっているとし、「向こう数カ月間のリスクは下振れする可能性が高いようだ。企業は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)と選挙双方の見通しが立つのを待っている」と述べた。
コロナ危機が米国で始まってから6カ月が経った今、感染件数は高止まりしている。米国の死者数は22日、20万人を超え、世界最多だ。
サービス業PMIは54.6と、8月の55.0から低下した。市場予想は54.7だった。サービス業は米経済の3分の2以上を占める。サービス業は新型コロナの打撃が最も多く、依然としてパンデミック前の水準を取り戻していない。サービス部門の雇用指数は9月に低下した。
製造業PMIは53.5と、8月の53.1から上昇した。市場予想は53.1だった。製造業は米経済の11%を占める。新規受注指数は54.0と、8月の54.1から小幅低下した。
JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「PMIの内訳は全体的に数カ月間にわたって大幅に上昇していたが、まちまちの結果となった。これは多くの経済指標とおおむね一致しており、米経済が新型コロナ危機から回復し始めた際に広範かつ堅調に改善した期間を経て、モメンタムが足元で失われていることを示唆している」と述べた。