[東京 11日 ロイター] – 三菱電機は11日、2021年3月期の通期連結営業利益(国際会計基準)が前年比53.8%減の1200億円になる見通しと発表した。新型コロナウイルスが各国・地域での市況低迷、回復過程で7─9月期まで売上高や利益に影響するとの前提で算出した。リフィニティブがまとめたアナリストによる営業利益予想の平均は2570億円。
売上高予想は、同8.1%減の4兆1000億円、当期利益予想は同54.9%減の1000億円とした。各国・地域で経済対策が実施されるものの本格的な景気回復には至らず、年度を通じた経済成長率は前年度に比べ大幅な減速を見込んでいる。コロナ影響は売上高で4400億円の減少、営業利益で1350億円の減少を予想する。前提為替レートは1ドル105円、1ユーロ115円。
2020年3月期の連結営業利益は、前年同期比10.6%減の2596億円だった。家庭電器部門、情報通信システム部門、電子デバイス部門などで増益だったが、産業メカトロニクス部門の減益が響いた。
産業メカトロニクス部門の売上高は、国内外の設備投資の停滞によるファクトリーオートメーション(FA)システム事業の減少や、各国での新車販売の減速による自動車機器事業の減少で減収となった。
操業度低下や機種構成の変動、成長事業への先行投資などによる産業メカトロニクス部門の悪化、円高影響で、売上原価率が悪化した。