緊急調査!新型コロナウイルスで、消費者行動パターンの国境を越えた共通点とは!?
報道と連動した購買行動の変化
2月26日のトランプ大統領の記者会見は、国民の関心を「意識的な健康管理」から「食料の備蓄」へと移行させたと言えるだろう(下図)。この記者会見は、必需品の家庭内在庫を増やすためのガイダンスに言及している。会見が、安定した健康衛生関連商品の販売を促す一方で、賞味期限の長い食品に対する需要を高めたと言える。 ニールセンでは2月29日終了週の売上を測定しており、この傾向を確認している。
健康衛生および家庭用品の売上が拡大
米国では、備蓄用の食料がマスクやハンドサニタイザーよりも記録的な売上となっている(下図)。除菌剤、洗浄剤、市販の風邪薬、その他健康関連の必需品の売上もピークに達しました。また、乾燥豆(37%増)、肉の缶詰(32%増)、米(25%増)の売上の急増が見られており、2月の最終週には消費者が賞味期限の長い食料を買い込んでいたことが分かります。
米国での食料の備蓄状況
下の図表は、各国での報道が消費者の需要を「食料の備蓄」のフェーズにまで引き上げたことを示している。図表に見られるように、新型コロナウイルスの症例と死亡例の報告によって消費者は、状況が危機的になって自主隔離する際に必要となるだろうアイテムへ関心を寄せるようになる。
イタリアや韓国など一部の市場では、「積極的な健康志向」、「意識的な健康管理」、「食料の備蓄」といったフェーズを過ぎている。3月9日週、イタリアでは全国的な封鎖措置が敷かれた。米国および他の多くの市場は、イタリア市場の分析結果にもとづいて今後の予測を立てることができるため、これ以降のフェーズにおいて見られる購買パターンを注視する必要があるだろう。