緊急調査!新型コロナウイルスで、消費者行動パターンの国境を越えた共通点とは!?

2020/03/19 05:30
ニールセン・カンパニー (Japan)

新型コロナウイルスの感染は世界各国で拡大の一途を辿っており、アメリカにおいても症例が増加し、当局が対応措置を打ち出している。本稿では、韓国やイタリアなどすでに大きな影響を受けている国に共通する消費者の行動パターンを明らかにするとともに、感染拡大に備えるアメリカの状況についてお届けする。

米ペンシルバニア州のショッピングモール
2月28日、米商務省が発表した1月の個人消費支出(季節調整済み)は、前月比0.2%増と、市場予想の0.3%増を下回り、前月から減速した。新型コロナウイルスが急速に拡大する中で一段と鈍化する可能性がある。新型ウイルスによって株式相場は急落し、景気後退懸念が浮上している。写真は2019年11月、米ペンシルバニア州のショッピングモール(2020年 ロイター/Sarah Silbiger)

 ニールセンの最新の調査では、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大への懸念に起因する消費者態度の6つのフェーズが明らかになっている。初期では緊急用食料品と健康関連アイテムの支出パターンに変化が見られ、これは複数の国・市場で共通している。

 公共機関による情報提供や政府の記者会見など新型コロナウイルス関連の報道と、ハンドサニタイザーや賞味期限の長い食品といった品目への支出の関連性を分析すると、一連のパターンが見えてくる。さらに、目下進化中のこのパターンを感染拡大の影響を受ける各国に当てはめることで、サプライチェーンの安定化へ向けて懸命な努力を続けるメーカーや小売企業が激増する需要と購買行動の急変に対応するためにすべきことが明らかになる。

 中国で新型コロナウイルス感染症の最初の症例が報告されてから8週間以上が経過し、感染は世界中で拡大を続けている。医療用マスクや除菌剤などの健康衛生関連アイテムの販売が劇的に増加しているのはもちろんですが、症例数が増えるに従いその他のアイテムにも影響が波及していることが分かります。

 下の図表は、各市場が初期兆候として示した6つのフェーズだ(影響を受ける時期が異なるため分析対象となる時期も市場ごとに異なる)。それぞれが異なる消費態度と関連しているが、いくつかの共通するタイミングがあり、詳しく見てみると報道が主な要因となっていることが分かる。

新型コロナウイルス感染拡大への懸念が生む消費者行動パターン6つのフェーズ

新型コロナウィルス感染拡大への懸念が生む消費行動パターン6つのフェーズ
図表1


 フェーズ1〜4では、予測可能な消費パターンの兆候が見て取れる。言い換えると、その国が感染拡大のどのフェーズにあるかで支出には一定のパターンが見られ、これを参考にすることで 次に何が起こるかを予測することができるのだ。

 各国とも、健康志向商品を積極的に購入するフェーズ1をすでに終えていると言えるだろう。ここでの販売パターンの変化はわずかだった。ただし、フェーズ2(意識的な健康管理)では、消費者がハンドサニタイザーやマスクなど衛生関連の主要アイテムを備蓄していたことが分かる。

 世界中で感染が急速に拡大していることがさまざまなメディアで詳しく報道されたため、多くの国で消費者は、フェーズ3の「食料品の備蓄」に飛びつきいた。このフェーズに至るまでの間で、消費者は食料と緊急アイテムの備蓄を行っている。こうした支出の急増は、「パニック買い」が発生した数週間後には減少したが、その後の報道やさらなる感染拡大の知らせをきっかけに再び急増した。

 米国市場に関するニールセンの調査では、消費者が感染拡大に関する最新情報を消化・処理し、その報道に関連する購買決定をいかに迅速に行うかが明らかになっている。これは購買行動の初期兆候に対する理解につながり、各企業が報道に即してサプライチェーンを管理するのに役立つ。以下のケースからは、新型コロナウイルスに関連する主だった報道の約2週間後に冷静さを取り戻す消費者が多いことが伺える。

 1月30日、米国では新型コロナウイルスの人から人への感染症例が初めて報告されました。その2週間後(2020年2月8日終了週)、ハンドサニタイザー、医療用マスク、家庭用マスクの売上は前週からそれぞれ4%、47%、53%減少している。在庫切れが原因だった可能性もあり、売上は前年を上回っているが、健康衛生関連商品の購買ラッシュは次の報道が出るまで静まり返った。

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