景気は五輪にかけ底堅いと日本の財界首脳、地政学リスクに警戒

ロイター
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東京の街並み
1月7日、日本の経済界首脳は2020年の国内景気について、東京五輪・パラリンピックにかけて底堅いと見る一方、地政学リスクを警戒する。東京で2019年6月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 7日 ロイター] – 日本の経済界首脳は2020年の国内景気について、東京五輪・パラリンピックにかけて底堅いと見る一方、地政学リスクを警戒する。緊迫化する中東情勢、香港、米大統領選がリスク要因だと、経済三団体の会合に集まった財界人は身構える。

ローソンの竹増貞信社長は「前半戦は晴れ、時々曇り。後半戦は曇りで後に晴れて欲しい」と景気の見通しを例えた。

<五輪後は見方割れる>

56年ぶりに日本が主催する夏季五輪をピークに、景気は失速すると一部の専門家やアナリストはみている。消費増税に伴い導入したキャッシュレス決済に対するポイント還元策が6月に終了するほか、五輪に関連して盛り上がった建設需要が減退することが見込まれるという。

「景気は気分(の影響)が大きい。五輪が終わると消費は相当、下がるだろう」と話すのはキリンホールディングスの磯崎功典社長で、「家飲み需要を取り込みたい」と語る。

一方、そうした悲観的な見方に懐疑的な声も聞かれた。日本商工会議所会頭の三村明夫氏(日本製鉄社友名誉会長)は「五輪の建設需要で人手が足りず、建設費が高くなるため施主がしばらく待つことで(需要が)先ずれし、五輪後に建設需要がガタンと落ちることはまずないのではないか」と見る。

サントリーホールディングスの新浪剛史社長は「(9月から)マイナンバーカードを使ったポイント制度など財政も出動するため、ある程度の安心感はある」と話す。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博会長は「政府が経済対策をもう1つか2つ打つのではないか」と見ている。

<根強い地政学リスク>

企業のトップがそろって警戒していたのが、地政学リスクだ。

NTTの澤田純社長は今年の景気を「晴れ、時々嵐」と例える。足元の米国・イランの関係悪化のほか、米中の覇権争い、北朝鮮や韓国と日本との摩擦、香港やウイグルといった中国の人権問題、台湾選挙など、複数のリスクがくすぶると指摘する。日本航空の赤坂祐二社長も「国際情勢の悪化は、航空業界にとって世界中で非常に大きな影響がある。早く収束することを心から願う」と懸念する。

三井物産の安永竜夫社長は米中摩擦をリスク要因に挙げ、「中長期的にこの状況が続くということを押さえた上でビジネスを考えないといけない」と語る。

野村ホールディングスの永井浩二社長が節目と指摘したのは、11月の米大統領選。「少なくとも選挙までは株価にネガティブになるようなことはやらないと思うが、その後はちょっと注意しておかないといけない」と指摘する。

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