2019年市場分析「増税と台風による家庭内ストック品の変化」
1.増税前の買いだめは、やはり軽減税率対象外の「アルコール飲料」
10月1日からの増税と、10月12日の台風19号に備え、買いだめはされたのだろうか。
食MAP®による在庫分析で、家庭内に買いだめされた商品の在庫数(ストック数)の増減を見てみよう。<図表①>
増税直前の9月24日~30日と9月1日~7日の1週間おける1000世帯1日あたりのカテゴリ別の在庫商品数を比較すると、「アルコール飲料」が1,724.2個と、どの他のカテゴリ
よりも増え、いかに増税に備えて買いだめされたかがわかる。
他には「インスタント・カップ・レンジ食品・惣菜」といった、ついでに買いだめをしたのか買置き品と言われるもの、「生鮮・生鮮加工」「調味料」と、外食の税率も10%に上がるためであろうか、内食を増やそうとしたと思われるカテゴリの商品も増加していた。
<図表①> 1000世帯1日あたりの在庫商品数(材料カテゴリ別)
材料カテゴリ分類 | 9/1~7 | 増税直前 (9/24-30) |
増税直前 (9/24-30) |
台風時期 (10/10-12) |
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在庫商品数 | 在庫商品数 | 差分 | 在庫商品数 | 在庫商品数 | 差分 | |
計 | 182,114.4 | 185,311.1 | +3,196.7 | 185,311.1 | 191,451.0 | +6,139.9 |
穀類・麺・粉・パン・シリアル | 15,821.1 | 15,873.9 | +52.9 | 15,873.9 | 16,649.3 | +775.4 |
生鮮・生鮮加工 | 21,962.1 | 22,800.5 | +838.4 | 22,800.5 | 23,250.3 | +449.8 |
調味料 | 41,412.3 | 41,660.0 | +247.7 | 41,660.0 | 41,662.6 | +2.7 |
レトルト・料理の素 | 15,060.0 | 15,267.3 | +207.3 | 15,267.3 | 16,142.7 | +875.4 |
油脂・乳製品・スプレッド | 12,137.9 | 12,295.6 | +157.7 | 12,295.6 | 12,321.6 | +26.1 |
調理済み冷凍食品 | 4,844.9 | 4,953.0 | +108.1 | 4,953.0 | 5,131.8 | +178.8 |
インスタント・カップ・レンジ食品・惣菜 | 11,039.3 | 11,511.3 | +472.0 | 11,511.3 | 12,925.0 | +1,413.7 |
調理缶・ビン | 8,723.2 | 8,549.1 | -174.1 | 8,549.1 | 8,724.3 | +175.2 |
菓子・栄養補給食品・離乳食 | 15,342.8 | 15,137.4 | -205.4 | 15,137.4 | 16,336.2 | +1,198.8 |
飲料 | 26,614.4 | 26,382.4 | -232.0 | 26,382.4 | 27,154.8 | +772.4 |
アルコール飲料 | 9,156.5 | 10,880.6 | +1,724.2 | 10,880.6 | 11,152.4 | +271.7 |
分析期間:2019/9/1~9/7
2019/9/24~9/30(増税直前)
2019/10/10~10/12(台風時期) 出典:食MAP®
対象:主婦世帯 食MAP_JANコード指定対象商品
指標:1000世帯1日あたりの在庫商品数
2.台風に備え、すぐ食べられるもの、備蓄しておけるものを中心にストックが大幅増
台風接近による買いだめはどうだったであろうか。
<図表①>では増税直前の1週間と台風接近・上陸の10月10日~12日の比較をしているが、すべてのカテゴリにおいて在庫商品数が増えている。台風に備え、かなりの買置き、備蓄をしたことがわかる。
特に「インスタント・カップ・レンジ食品・惣菜」「菓子・栄養補給食品・離乳食」といった、何かあった時にすぐ食べられるもの、しばらく備蓄できるものが買いだめされている。
具体的にどのような商品が買いだめされたのであろうか。
台風時期に増えた在庫商品を、さらに細かい商品分類の在庫数で見ていくと、「カップラーメン」「カップのうどん」「インスタントラーメン」「レトルトカレー」などの備蓄食、「チョコレート・チョコレート菓子」「スナック菓子」「クッキー」などそのまますぐ食べられるもの、「ミネラルウォーター」「スポーツドリンク」「その他のお茶」といた備蓄の飲料であることがわかった。
今後温暖化にともない、多くの台風の上陸が予想される。危険を回避することが最も重要であるが、一方事前の商品購入に備え、メーカー、流通も準備が必要となる。
また今回記載しなかったが、ストックした商品の使い方を食MAPで分析することで、事後のさらなる食卓の提案も必要と思われる。
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