[ロンドン 17日 ロイター] – 英蘭系日用品大手ユニリーバが発表した第3・四半期の実質増収率は2.9%となり、市場予想の3%を下回った。
インド、中国市場が低迷した。中国は貿易戦争で内需が打撃を受けており、インドはモンスーンの不規則な天候で農村部の消費が低迷した。
グレイム・ピットケスリー最高財務責任者(CFO)はロイターに「インドと中国には明らかに市場の減速の兆候がみられる。インドでは市場の拡大ペースが非常に高い水準から1ケタ半ばに落ち込みつつある」と指摘。中国も、実店舗の増収率が1年前の2%から1%に鈍化しているという。
アルゼンチンでは、ハイパーインフレで数量ベースの販売が4%減少。新興国全体の売上高は5.1%増と、前四半期の7.4%増から鈍化した。新興国は同社の売上高全体の60%を占める。
先進国の売上高は0.1%減。ニッチな商品を購入する動きが広がったほか、欧州の前年同期の売上高が高水準だったことが響いた。前年同期は猛暑の影響でアイスクリームの販売が好調だった。
ただ、第3・四半期の同社の売上高は5.8%増の133億ユーロと、市場予想を上回った。買収やポンド安が寄与した。
通期の実質増収率の目標も3─5%のレンジの下半分で据え置いた。2020年の営業利益率の目標も20%で据え置いた。