[東京 31日 ロイター] – 日本航空の菊山英樹・取締役専務執行役員は31日の2019年4―6月期連結決算会見で、米中貿易摩擦の影響について、「日本発の国際貨物の荷動きが非常に鈍っている」との認識を示した。
同社の貨物事業は貨物専用輸送機によるビジネスはせず、旅客便のベリー(腹部)スペースを中心として行っており、4―6月期の国際貨物収入は前年同期に比べ14億円減の227億円だった。菊山氏は「いたずらに単価を下げて物量を取りにいくのではなく」、単価を意識しながら収益性を重視した、と述べた。
また菊山氏は「相対的に申し上げると、国際旅客・国際貨物の需要が力強さを欠いている」と指摘。「第2・四半期以降、十分に動向は注意しないといけない」と語った。
ただ、国内旅客需要は引き続き非常に強い水準で増収が見込めることなどから「今期の(業績)見通しは十分達成可能」との見方を示した。
日韓の外交関係悪化による影響が懸念される韓国線に関しては、総需要は力強さを欠いているが、「日本発はそれほど特に大きな影響を受けていない」と語った。韓国線の供給・収入規模はかなり限定的であり、クリティカルな影響は認識していないといい、今後の予約状況もそれほど大きな変化は今のところはないと述べた。
4―6月期の営業利益は前年同期比15.6%減の210億円だった。ゴールデンウィーク10連休に伴う航空需要拡大が寄与し、売上高は4%増の3557億円だったが、羽田空港発着枠拡大を見据えた人材採用や機材整備の先行投資がかさんだ。20年3月期の連結業績見通しは従来予想を維持した。