再値上げに、再々値上げも……2022年末と2023年の「値上げラッシュ」をまとめて解説
砂糖は2021年から35円も値上げ……外食も値上げラッシュ!
原材料の値上げの動向も見ていくと、小麦や油などと同じく、砂糖も12月1日より出荷価格を1kg当たり6円相当(約3%)値上がりすることが精製糖業界最大手のDM三井製糖より特約店に通知された。砂糖の価格改定は2022年7月に続き2度目となる。
ちなみに2021年は3度の価格改定で計17円の値上げが実施され、2022年の2度の価格改定の値上げ高は計18円となる。合計すると2021年から35円の値上げとなっており、影響は深刻だ。砂糖は年末年始に多く消費される品目なだけに、このタイミングでの価格改定は企業や消費者にとって一層重いものとなるだろう。
値上げの波は外食にも押し寄せている。東京商工リサーチによると、大手外食チェーン122社のうち2022年にメニュー価格の値上げ公表したのは82社であり、およそ7割に達している。また、そのうち2回以上の値上げを公表した企業は28社で、全体の2割超となった。
総じて原材料の高騰が値上げの原因であり、主力メニューが小麦などの輸入食材に依存している企業において値上げが先行したが、秋以降は国産食材を取扱う業態にも値上げが拡大している。2022年11月には「餃子の王将」や「リンガーハット」、「ミスタードーナツ」、12月には「カレーハウスCoCo壱番屋」「ドトールコーヒー」「天丼てんや」のほか、クリスマス後にファミリーマート(東京都)の「ファミチキ」などコンビニのFF(ファストフード)商品の値上げが発表されている。
2023年も“10月並み”の値上げが!?
12月12日に日銀が発表した11月の企業物価指数は、前年同月比9.3%増と8カ月連続で過去最高を更新した。円安は一時期のほどの過熱ぶりはみられず落ち着きを見せているものの、エネルギー価格の高騰が電気料金の値上げなどに表れている。そのため企業物価の上昇は、タイムラグをもって消費財の価格に今後も転嫁されていくとみられる。
2023年は1月に514品目、2月には3269品目の値上げが控えている。とくに、2月は2022年度の2倍近くの品目が値上げする予定で、2022年中で値上げ品目数が最多の「値上げのピーク」となっていた10月の6699品目に次ぐ、2番目の多さとなる。
また、2023年の1~3月までの食品値上げ累計数は4423品目、平均値上げ率も17%となっている。現時点で値上げのスピードはこれまでにない速度や品目数で拡大していく見通しだ。2023年も引き続き世界情勢や政治経済動向を注視しつつ、生活防衛を行っていく事が不可欠となる。