「ESG経営の第一走者」を標榜 無印良品の環境・社会配慮型商品開発の全容
未利用資源の「カポック」を衣料品に
環境や社会に配慮した商品開発の代表的な事例をいくつか挙げる。
衣服・雑貨では、インドネシアやタイの木の実から採れる綿のワタ毛に似た軽い繊維「カポック」という天然の未利用資源を発見し、21年春夏から衣料品に仕立てて販売している。
カポックは農薬や肥料、水やりがほとんど不要という特徴を持つ。成長が早く、約5年で10mまで育つ。刈り取る必要もないため、50~70年もの間、多くの二酸化炭素(CO2)を吸収し続けてくれる環境負荷が低い素材だ。
良品計画は、このカポックを商品に活用することで、石油由来の原料に代替されて廃れつつあった現地の産業(林業や加工場、紡績)を再び発展させ、その土地の生活を豊かにできるとも考えた。
24年度は286tを調達。婦人ブラウスやパンツ、デニムジャケットなど約80万枚の販売を予定する規模まで使用を広げている。

また、昨年9月には「素材に還(か)えるフリース」シリーズを発売。商品を使い終わった後のことも考え、リサイクルを前提とした製品を設計する「サーキュラー(循環)デザイン」に乗り出した。縫製糸やボタンなどの付属品から素材まで、すべてをPET(ポリエチレンテレフタレート)という単一素材で設計。リサイクルする際のネックになっていた素材別の分解や分類の工程をなくし、再資源化をしやすくしている。
24年秋冬は、サーキュラーデザインの衣服を約85万枚販売。25年秋冬には2素材・30商品に拡大する予定だ。






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