業態超え大型再編続々の小売業界を読み解く!流通相関図2024!
DgS、HCでも再編がさらに活発化
DgSでは、サンドラッグ(東京都)が24年2月、関西地盤のキリン堂HD(大阪府)を持分法適用会社化。マツキヨココカラ&カンパニー(東京都)は東京都区部を中心にDgSと調剤薬局を展開するケイポート(東京都)を24年4月に完全子会社化している。また、スギHD(愛知県)は24年8月に調剤チェーン大手のI&H(兵庫県)の子会社化を行う予定だ。
クスリのアオキHD(石川県)は、ここ数年意欲的に進めてきたローカルSMの買収を継続。24年3月には愛媛県内でSMを展開するママイを持分法適用会社化し、同社として初めて四国進出を果たした。同時に岐阜県・静岡県のSMやホームセンター(HC)企業も傘下に収めており、引き続き生鮮強化型のフード&ドラッグ店舗を各地で増殖させる構えだ。
HCではコーナン商事(大阪府)がホームインプルーブメントひろせ(大分県)を23年6月に子会社化したほか、DCMHD(東京都)が23年9月、持分法適用会社のケーヨー(千葉県)のTOBによる完全子会社化を発表。各社が好業績に沸いたコロナ禍ではいったん停滞した再編の動きが、再び見られるようになってきた。
このほか百貨店では、セブン&アイHDが投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへのそごう・西武の全株式の売却を23年9月に完了。また、J.フロントリテイリング(東京都)は生活雑貨専門店「PLAZA」を運営するスタイリングライフ・HD(東京都)の全株式を売却している。
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ここまで見てきたように、国内の小売市場では各業態で再編の動きが活発化している。ウエルシアHDとツルハHDの経営統合や、三菱商事とKDDIによるローソンの共同経営のように、再編の枠組みや規模はよりダイナミックになってきた。これと並行して、物流やデジタル活用、リテールメディアといった領域を“非競争分野”と位置づけ、同業・異業種間で連携・協業するといった動きも、この1年間で拡大している。
人口減少、競争激化、経営コストの高騰といった課題に各企業が直面するなか、より大きなスケールメリットを追求した再編劇が、さらに活発化していきそうだ。
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