無印良品、宿泊・滞在事業を本格展開のねらいとは?
地域文化の体感基地「MUJI BASE」
所変わって、千葉県鴨川市西部の長狭(ながさ)地区。この地には、「都市と農村の交流拠点」を掲げ、無印良品の店舗や農産物直売所などが併設するかたちで18年に開業した「里のMUJI みんなみの里」がある。
そこからクルマで5分ほど走った大幡地区に23年8月、築100余年の古民家を改修した「MUJI BASE KAMOGAWA」がオープンした。

総床面積は47坪と広く、畳敷きの部屋が4室あり、広い土間を活用したキッチンダイニングや板張りの部屋もある。収容人数は5名で、食器や冷蔵庫、洗濯機などの生活備品、無印良品のソファや食品、アメニティが置かれている。”日常生活”を体験してもらうため、予約は2泊以上から受け付ける。料金は2泊3日で5万5000円~。
さらにそこから北東に位置する大多喜町へクルマを約50分走らせると、廃校になった旧老川小学校を改修した「MUJI BASE OIKAWA」にたどり着く。宿泊施設2棟のほか、宿泊者と地域住民が利用できる無印良品の売店やコワーキングスペース、コインランドリー、多目的ホールなどを併設している。隣接した農場での収穫体験や敷地内での養蜂体験もできる。

同地ではもともと、17年5月から良品計画が廃校の活用事業に関わってきた。宿泊は1棟貸しで、かつて3・4年生の教室だったA棟は5万円から、5・6年生の教室だったB棟は5万5000円から。両棟とも定員は10人。B棟は2万円から部屋貸しも行う。
「MUJI BASE」は使われていない古民家や廃校など地域の遊休資産を良品計画が活用し、自社で運営する宿泊施設のことを指す。「MUJI room」と異なるのは、既存のホテルや旅館の間借りではなく、地域の遊休資産を宿泊施設に転換すること、そして原則として直営であることだ。
いずれも立地は都市部から1~2時間で行ける場所を念頭に置いている。予約は22年9月に包括連携協定を結んだ宿泊予約サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」を介して受け付ける。昨年4月には瀬戸内海の東部、小豆島の西方3.7kmに位置する人口約760人の豊島に、飲食店の寮だった古民家を引き継いで「MUJI BASE TESHIMA」を開設した。今年4月18日には、2棟目もオープンしている。





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