オーケー進出で関西市場はこう変わる!ライフ、万代、有力小売の戦略は?

文:雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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オーケー流を貫き淡々とシェア獲得か

 それからおよそ2年。ついに11月26日、オーケーの関西1号店「オーケー高井田店」がオープンした。売場面積は約770坪、駐車台数192台の大型店で、5階にはオーケーの「関西事務所」も併設した。

 売場の全貌については54ページからのレポートを参照されたいが、全体的には拍子抜けするほど、関東での店づくりの手法を踏襲している。

 青果から始まるワンウェイコントロールのレイアウト、オーケーのコンセプトである「高品質・Everyday Low Price」を地で行く商品政策(MD)、値札の横に差し込まれた「オネスト(正直)カード」……。総菜や加工食品などでは一部で高井田店限定商品や地場メーカーの商品も取り入れてはいるが、売場の全景は“ひたすらにオーケー”である。

 二宮社長も「関西ならではの販売施策は導入していない。加工食品や日配品のナショナルブランド(NB)は競合店の価格にしっかり対応し、生鮮は品質に対して割安な商品を強く訴求する。いずれも関東と同様の取り組みだ」と説明する。

 高井田店以降の出店については、25年1月をめどに兵庫県西宮市に「西宮北口店」(仮称)、その後兵庫県尼崎市、神戸市などへの出店も明らかになっている。店舗サイズは300坪弱から高井田店クラスの大型店まで、これも関東同様に物件に合わせて柔軟に対応する構えだ。

 二宮社長は具体的な出店数については言及しなかったものの、「ドミナント戦略を進める以上、10店舗や20店舗の規模には収まらない」と明言。そのうえで「出店の案件についてはどんどん決まっている」と自信を見せた。

 悲願の関西進出に力むことなく、オーケーのスタイルで“淡々”とシェアをとっていく──。高井田店の売場と二宮社長の発言からは、そんな意思も透けて見えた。

ライフ 万代

オーケー高井田店
オーケーの進出は関西小売市場にどのような地殻変動を巻き起こすのか

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雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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