何でもありで新業態次々開発、次々変化!タカラ・エムシーの戦略
静岡県を中心に食品スーパー(SM)などを展開するタカラ・エムシー(静岡県/上野拓社長)は生鮮品を軸にしたローカルチェーンだ。「鮮度と安さ」を強みにお客の支持を集めている。お客の要望に合わせて品揃えを柔軟に変更し、新業態や新規事業を次々に立ち上げる。同社のユニークな勝ち残り戦略をリポートする。
静岡県中心に50店を展開生鮮品で稼ぐSMチェーン
タカラ・エムシーは静岡県中部・西部を中心に約50店を展開するローカルチェーン。2023年7月期の売上高は553億1600万円に上る。
SMの「フードマーケット マム」が約40店、ブラジルショップの「アソーゲタカラ」が2店(ほかにSM内でインショップ展開)、コストコの再販店「プライムフーズマーケット」が3店などさまざまなタイプの店舗を展開している。
この他、ドラッグストアのクリエイトエス・ディー(神奈川県/瀧屋幸彦社長)の店舗内で生鮮品を販売する「フレッシュマム」を5店展開している。
同社は1970年3月に静岡市で食肉小売店を開業し、72年に法人化。静岡西武(06年閉店)内に精肉店をテナント出店したのを皮切りに、精肉のディスカウント店などを展開していたが、99年に静岡市内に「フードマーケット マム」1号店を開店。SMの多店舗化に乗り出した。
M&A(買収・合併)にも積極的で、店舗拡大の過程で地元のSM企業を次々と買収。16年に県外のSM、サンフレッシュブルーム(愛知県)を買収。19年には大黒流通チェーン(東京都)から約60店を譲り受けた。これは22年に売却したため、現在のグループ全体の売上高は560億~570億円前後だという。
23年7月期の売上は
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