シニア女性に絶大のカーブス 安定の“物販収入”依拠と躍進チョコザップの影響とは
猛烈に迫る「chocoZAP」は脅威か
とはいえ、足元では、ライザップの「chocoZAP(チョコザップ)」が急激な勢いで迫ってきている。2022年7月の一号店オープンからわずか1年強で1000店舗を突破、会員数はすでに100万人を超え、なんとカーブスを抜き去っている。この勢いは脅威というほかないだろう。
もっとも、無人で、それなりに負荷が必要なマシンが設置され、格安で24時間利用できるchocoZAPとカーブスは、コンビニと百貨店くらいに完全に棲み分けられており、大きな影響はないと見るのが正しいだろう。実際chocoZAPの利用年齢層はカーブスよりも若い。
安泰を阻害するいくつかのリスク要因
だからといって、この先カーブスが安泰かは不透明だ。なにせchocoZAPの価格競争力は破壊的であり、それと比べるとカーブスの施設はコスパ的に劣るとみる人もいるだろう。その分、専任スタッフが常駐しているものの、ある程度、体力がついてくれば、会員がchocoZAPへ”移籍”するリスクもゼロではない。
chocoZAPは26年までに2000店舗を目指し、引き続き店舗拡大を加速しており、エリア的にはカーブスの”縄張り”を確実に侵食する。それに伴い、chocoZAPが無人のデメリットを解消する施策を打ち出せば、カーブスとて会員を引き留め続けることは困難になるかもしれない。
現状は拡大を優先し、最低限のサービスに抑えることで、値段の安さにフォーカスしているchocoZAP。これは逆に、伸び代がいくらでもあるということでもある。それこそが本当の脅威だと捉えれば、カーブスは今後、かなり強力な会員引き留め策を打ち続ける必要がある。