「かかとが踏める革靴」「スーツに見える作業着」 稀代のヒットメーカーが教える開発術とは
納得のいく商品がなければ、自分たちで作る
WWSは、全日空とコラボして出張の多いビジネスパーソン向けのスーツや、サッカーチームのオフィシャルスーツとしても活用されている。
さらに新商品にも取り組んでおり、スーツ、革靴に続き、現在はスニーカーを鋭意開発中だ。
同社の商品が注目を集めている理由は、高機能でありながら低価格であることだ。同社ではまず機能に特化して開発を行っていき、最終的にさまざまな人が手を伸ばしやすい価格設定にしているのだという。スーツなら上下で3万円台、靴なら1万5000円ほどが目安だ。
しかし、「高機能にこだわれば原価は高くなり、アパレル事業としての利益はそこまで多くない」と関谷氏は語る。それでもアパレル事業を続ける理由を最後にこう答えた。
「洋服や靴は毎日身につけるものだからこそ、高機能だと日常生活が快適になる。納得のいく商品があれば、うちが作る必要はない。だが、納得のいく商品がない場合は、自分たちが作ればいいと思っている。そして、『こんな服が世の中にあるのかと感動した』というお客様からのレビューが、私たちの励みになっている。これからも自分たち自身が納得し、多くの人に喜んでもらえる商品をつくっていきたい」