“売らない店”b8ta 3号店・渋谷で水回り設備を整えた驚きの理由とは

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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接客レベルの高い「b8taテスター」が強み

──ここ最近、大手百貨店でも“売らない店”を進める動きがみられます。この傾向をいかに捉えていますか。

北川 日本でも“売らない店”の認知が進んできたということであり、マーケット全体が広がり、b8taにとって好機だととらえています。

 今後、日本の主要都市の再開発とともに商業施設が増えていくなか、販売だけを目的とするテナントだけでは差別化は図れなくなり、“売らない店”の存在価値はさらに高まっていくとみています。

──今後の出店方針を教えてください。

北川 これはコロナ前からの方針なのですが、国内にいたずらに店数を増やしていこうとは考えていません。ポップアップストアの出店は適時あるでしょうが、常設店は企業名の数字にあるように8店くらいではと考えています。時期を見て、主要都市の通行量の多い立地に出店を進める計画です。

──丸井グループや三菱地所(東京都)、カインズ(埼玉県)など出資企業との連携は進んでいますか。

北川 カインズさんには店舗へ出品していただき、丸井グループさんからは3人の出向者を受け入れ、店舗の運営ノウハウを共有しています。

 将来的には、店舗のソフトウエア開発・提供でも出資企業と連携を図っていきたいと考えています。現在b8taでは店舗の購買動向の定量・定性データを、ダッシュボード上で一元管理できる仕組みを構築しています。これを活用すれば、今まで難しいとされてきた店内の顧客動向を可視化し、小売店の売上促進のサポートができると考えています。

 すでに本国・米国では先行して進めているのですが、あくまで店舗事業を核としながらもRaaSのみならずSaaS(サービスとしてのソフトウエア)にも事業領域を広げていきたいと考えています。

会社概要

本部所在地

東京都千代田区大手町1-9-2

大手町フィナンシャルシティグランキューブ3階

資本金 1円
設立 9月20日
売上高 非公開
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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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