健康志向が後押し?スイーツ開発で注目の素材「ピスタチオ」と「焼き芋」
機械や品種の進化が
焼き芋をアップデート!
もう一方の人気素材「焼き芋」は、従来とは異なる進化したスイーツが話題を集めている。
焼き芋は約300年にわたって親しまれてきた長い歴史を持つ。江戸時代の第1次ブーム、明治時代から関東大震災にかけての第2次ブーム、1970年代の第3次ブームを経て、現在は第4次ブームと言われており、焼き芋を使ったスイーツの専門店やポップアップショップが続々とオープン。ホクホクと自然な甘みが味わる焼き芋そのものはもちろん、「焼き芋ラテ」や「焼き芋パフェ」など、さまざまなアレンジを加えた進化系スイーツが登場している。
焼き芋スイーツのブームには、3つの背景がある。
1つめは、「さつま芋の品種が増え、焼き芋自体ががブームになったこと」だ。
2000年以降に「安納芋」や「紅はるか」「シルクスイート」などの“ねっとり”とした食感の品種が登場。これらはとろけるような柔らかさと際立つ甘さが魅力で、品種ごとの特性を生かしたさまざまな焼き芋をラインナップする店も増えている。
2つめは、「焼き芋の機械や技術の進化」だ。
遠赤外線を利用した焼き芋オーブンの登場により、食品スーパーやコンビニなどでも焼き芋が販売されるようになった。その後、焼き芋専門店も次々に登場し、さらに進化系焼き芋スイーツは見た目のかわいらしさも相まって、流行に敏感な若い女性たちに愛される存在になったのだ。
3つめは、新型コロナウイルス感染拡大下で健康志向がさらに高まるなか、「天然の素材を中心に使ったスイーツ」という点が支持されたことだ。甘みがありながらも、ヘルシーで栄養価も高い。そのため、食べた際の罪悪感がなく、満足感も得られる。