長野のローカルスーパーデリシア、食に限らず、医薬品や非食品を強化する理由は?
デリシア(萩原清社長)は、長野県全域で食品スーパー(SM)を中心に店舗展開する同県を代表する小売チェーンの一つだ。「地域に密着した食品スーパー」を経営理念に掲げ、まさにローカルSMならではの強さを追い求める同社。コロナ禍での消費市場の変化や、ドラッグストア(DgS)の台頭をはじめとする経営環境の変化など大きなうねりの中にあって、どのような成長戦略を描いているのか。
デリシアの強さのポイント
- 小商圏型フォーマットを軸とした厚い店舗網
- 積極的な新規事業の開発
- 「地産地消MD」による魅力的なオリジナル商品
経営環境の変化で抱いた重大な危機感
長野県民なら誰もが知る大企業体・アルピコグループ。傘下の企業を介して交通、レジャー、流通、生活サービスなどさまざまな事業を展開するが、このうち流通領域を一手に担っているのがデリシアだ。450坪を標準サイズとするSM「デリシア」を県全域に計50店舗、生鮮食品と神戸物産(兵庫県/沼田博和社長)の商品を取り扱う生鮮&業務スーパー「ユー・パレット」を10店舗、そのほか外食のFC事業も運営するなど、その業容は多岐にわたる。
デリシアはもともと、1960年代に松電商事として創業、私鉄系SMが連帯する八社会(東京都/塩路茂社長)の立ち上げにも参画した(現在は脱退)。その後2000年にアップルランドに社名を変更した後、16年に同じ長野県内を地盤としていたSM企業マツヤを吸収合併し、デリシアとして新たなスタートを切った経緯がある。
内食需要の急増によって多くのSMが業績を伸ばしたコロナ禍、デリシアも例外ではなかったものの、「月単位では変動が大きく苦慮した」と萩原社長。年間を通じては大きく前年超えを果たしたものの、夏休みや年末年始の帰省控え、さらに長野県が国内有数の“観光県”であるがゆえ、観光客の減少などは売上にネガティブな影響を与えた。
しかし、コロナ以上に萩原社長が喫緊の問題として挙げるのが、
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