アウトドアウェアをストリートファッションに変え市場創造!ノースフェイスの直営店マーケとは
卸先の店舗もチェック! 独自のVMD部隊
直営店第1号のオープンから四半世紀以上が経った今日においても、全国に約100店舗ある直営店を、ブランドの発信拠点と位置づけるノースフェイスの姿勢は変わらない。
その店舗づくりには、「一つとして同じコンセプト、商品展開の店はつくらない」という、現社長の渡辺氏をはじめノースフェイスが大事にしてきたこだわりがある。
たとえば、原宿エリアだけでも5店舗(2021年8月時点)の直営店があるが、タウンユース中心の「スタンダード」、女性をターゲットにした「マーチ」、親子向けの「キッズ」、本格アウトドア志向の「マウンテン」、サステナビリティをコンセプトに打ち出した「オルター」と、その顔ぶれはまったく異なり、それぞれの個性が際立っている。
その個性豊かな直営店の世界観を生み出しているのが、ノースフェイス独自のビジュアルマーチャンダイジング(VMD)チームだ。
「VMDの専門チームが、ファサードからインテリア、マネキンの飾りつけ、BGMに至るまで、店づくりに関するすべてのマネジメントを行っています。新規出店時だけでなく、その後も定期的に各店舗を回って、マネキンに着せる服の選定や商品の飾り付けなどをマネジメントしています」(梅田氏)。
VMDチームがカバーする領域は直営店にとどまらず、フランチャイズ店や卸先の店舗にまで及ぶ。この徹底したブランド管理が、ノースフェイスのブランドの強さを陰で支えている。