東名阪に香港、NY、パリ…コロナで疲弊のアパレル業界、なぜTOKYO BASEは積極出店ができるのか?
ECでは地方客の利用が急増
出店エリアを厳選しているだけに、坪効率をどうやって高めるかがカギになる。同社は、スタッフの営業力アップにも注力している。
例えば、販売スタッフの売上実績は、トップから最下位まで全員公開される。成績が上位のスタッフは、賞与などのインセンティブが多い一方で、成績が下位のスタッフは、ボーナスゼロも当たり前というシビアさだ。
LINEで、得意客とコミュニケーションを取ることも、制度化されているそうだ。「お客さまとマメに連絡を取っているスタッフのほうが、営業成績がいいからです」(中水氏)。また、販売の成功事例だけでなく、失敗事例まで、社内SNSで情報共有しているという。
一方で、コロナ禍の影響もあって、ECも順調に伸びている。2021年2月期の全社EC売上高は59億9600万円(前期比6.5%増)に達する。
中水氏は、「当社の主客層は20~30代なので、ECにシフトしやすかったのでしょう。とりわけ、リアル店舗を3エリアに集中しているため、地方のお客さまのご利用が急増しています。追い風を受けた格好ですね」と、笑みを見せる。
ECモールと自社サイトが主力だが、最近は自社サイトの育成にも力を入れている。全社EC売上高に占める自社サイトの割合は現在、3割弱だ。
「ECモールは、幅広い客層にリーチできるといった利点もありますが、自社サイトは、ブランドコンセプトを伝えやすいし、顧客情報をダイレクトに100%取得できるといった、メリットが大きいのです」(同)。