ケーズデンキ、家電特化の「がんばらない経営」がコロナ禍で過去最高益となった必然とは
がんばらない=持続可能
「がんばらない経営」でコロナ下でも前進を続けたケーズHDは、19年5月に公表した中期経営計画の最終年度である24年3月期の目標を上方修正。売上高8100億円、営業利益490億円、経常利益540億円、純利益340億円とした。
先行き不透明な中での上方修正は強気にも映るが、「がんばらない姿勢」に変わりはない。同社は「がんばらない経営」について、決算発表の場であらためて説明している。
「無理をして自分以上の力を出すことは短期的には可能でも、終わりのない会社経営には適切ではありません。無理をすれば必ずその反動があります。お客さまにご満足いただくためにあるべき姿に向かって、無理をせず、正しいことを確実に実行していくことを『がんばらない経営』と表現しております」
「持続可能」がキーワードとなっている昨今。これぞまさしく、持続可能な経営の本質といえる。ただし、簡単なようだが、おそらく他社はマネできないだろう。なぜなら、この方針は続けなければ意味がないからだ。つまり、今からマネをしても、創業時から一貫して同じ方針を掲げるケーズHDとはそのぶん差が出る。継続は力なりとはまさにこのことである。同社の進撃はまだまだ続きそうだ。